不動産の税金
もくじ
1.耐用年数
2.計算方法
減価償却費
必要経費の中でも、減価償却費は特に重要です。建物や設備について、その取得費をもとに一定の耐用年数の間で償却費を計上します。また、通常の修理の程度を超えて資産の価値を高めたり、使用可能年数を伸ばしたりする支出も、「資本的支出」として減価償却の対象となります。
1.耐用年数
新築の建物や設備は、種類、構造、用途などによって耐用年数が決められています。
中古の場合:
①耐用年数の全部を経過したもの→法定耐用年数×0.2
②耐用年数の一部を経過したもの→法定耐用年数ー(経過年数×0.8)
2.減価償却費の計算方法
定額法と定率法があり、個人事業主の場合、定率法を選択する場合は税務署長への届け出が必要です。(ただし、平成10年4月1日以降に取得した建物及び平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物については、定額法のみとなります。)
定額法:
資産が毎年同じだけ減価すると考え、償却費をその耐用年数の間で均等に割り振る方法
定率法:
償却費の額を初期に多く計上し、年がたつにつれ小さくなるように未償却残額に対して毎年一定の率で償却する方法
各年の償却費は、次の①又は②の区分に応じて、下記の算式により算出します。
①平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産
イ 旧定額法
取得価額×0.9×耐用年数に応じた旧定額法による償却率=各年の償却費の額
ロ 旧定率法
(取得価額ー前年末までの償却費の合計額)×耐用年数に応じた旧定率法による償却率=各年の償却費の額
ハ 償却費の累積額が取得価額の95%相当額に達している場合
必要経費算入額の累積額が、取得価額の95%相当額(償却可能限度額)に達している減価償却資産は、その達した年の翌年以後5年間で、次の算式によって計算した金額を残額が1円になるまで均等に償却します。
(取得価額ー取得価額×95%-1円)÷5(年間)=償却費の額
②平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産
イ 定額法
取得価額×定額法の償却率=各年の償却費の額
ロ 定率法
平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得する減価償却資産と、平成24年4月1日以降に取得する減価償却資産とでは、下記の算式の計算上採用する償却率・改定償却率・保証率が異なります。
(取得価額ー前年末までの償却費の合計額)×耐用年数に応じた定率法による償却率=各年の償却費の額
上記の算式で計算した「各年の償却費の額」(調整前償却額)が、「取得価額×保証率」(償却保証額)に満たなくなった場合には、次の算式によって各年の償却費の額を計算します。
〇「償却保証額」に満たなくなった1年目の償却費の額
前年末の未償却残高×耐用年数に応じた「改定償却率」=償却費の額
〇「償却保証額」に満たなくなった2年目以降の償却費の額
満たなくなった年の「前年末の未償却残高」×耐用年数に応じた「改定償却率」=償却費の額
・耐用年数経過時点で、1円まで償却します。
・年の途中で事業の用に供した場合には、償却費の額に「本年中の使用月数-12」を乗じます。