不動産を売却する場合、仲介で売却する方法と買取での売却があることをお話させていただきましたが、ここでは「仲介」と「買取」を分けながら、その違いや特徴についてより詳しく解説をさせていただきます。
仲介での売却の流れ
まずは、仲介で売却を依頼した場合の流れについてお話をさせていただきます。わかりやすく記載すると、以下のような流れになります。
不動産屋さん探し→
査定依頼→
価格提示(価格提示は売却価格になるとは限りません)→
不動産屋さんと契約、広告展開(決まらないこともある)→
買受の申し込み(交渉次第で白紙になることもある)→
価格交渉→
売買の契約→
(通常、買手の方はローンを組むケースが多く、その場合、買手のローンが不成立の際は、白紙解約となる特約をつける事が慣行となっています。「契約が終わり喜んでいたら解約になってしまった・・・」なんて事も珍しくありません。)
残金決済
買取での売却の流れ
続いては、買取で売却を依頼した場合の流れについて見ていきましょう。
先ほどの仲介との流れと比較しながら見ていくと「その特徴」や「差」がおわかりいただけることかと思います。
不動産屋さん探し→
査定依頼→
価格提示→
打ち合わせ→
契約(些細な点でも質問して、不明点をなくしておきましょう。)→
残金決済・引き渡し
*買取価格の提示より、最短3日~1ヶ月(土・日・祝日を除く)で現金化が可能。また、売却の理由により、適切なアドバイスをもらえる場合もあります。
【仲介と買取の特徴を把握しておく】
上記のように、ここまでは「仲介」と「買取」それぞれに売却を依頼したケースの流れについて見てきました。
もっともわかりやすい特徴は「売却までのスピード」ですよね。さて、ここでは「仲介」と「買取」の違いをもっと掘り下げてお話をしていきます。
仲介の特徴
<主な契約方法について>
仲介の場合、不動産の購入者を探す為に仲介役として不動産会社を利用するので、媒介契約を結びます。
媒介契約は、宅地建物取引業法第34条の2により義務付けられており、不動産業者からどのようなサービスを受けるか、また仲介手数料を明確にしてトラブルを未然に防ぐための契約です。
専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つの契約から選択します。詳細は後述しますので、ぜひこちらも併せてご確認ください。
<仲介手数料について>
ここでは、仲介手数料がいくらかかるのかを説明いたします。
売主側としては、その他にも税金の支払も発生しますので、この仲介手数料も予め計算しておくと、予定外の出費に悩まされなくて済みます。
不動産の売却が成立した場合、仲介の報酬として仲介手数料を支払います。(成立しない場合は、不要です)
この仲介手数料は「売却金額の3%+6万円(+消費税)」(売却価格400万超の場合)という考え方で設定されており、なおかつこの仲介手数料には、宅地建物取引業法により上限が決められているのです。
上限を超える手数料を請求することは法令違反です。(上限500万円)
そのため、売主側である皆さんは、次のような仲介手数料の請求をする会社には注意しましょう。
当てはまった会社に依頼してしまっている場合や、依頼を検討している場合は、もう一度、その不動産会社に依頼するかを考え直して下さい。
・上限額を超える手数料条件を提示
・上限額をあたかも法律により一律で設定された手数料であるとの説明
・仲介手数料以外に発生する広告費等を当然に請求
買取の特徴
買取で依頼をする場合は、買い手が不動産会社になるわけですから、買い取ったお金は不動産会社から直接支払われるということになります。
仲介とは違い、自分と不動産会社の間で直接取引が行われます。不動産会社が査定した金額に自分が納得すればすぐに売買は成立し、取引が完了します。
買取後は不動産会社の名前で売りに出されるため、誰の土地なのか知られずに売ることができます。
「債務返済」「相続」「離婚」など、売却を人に知られたくない事情がある場合、広告などの宣伝活動が行われず、情報が公開されないため、他人に不動産を売却したと知られたくない人にとってはオススメです。
買取の種類について把握しておく
買取の種類には「買取保証」と「即時買取」があります。この2種類を覚えておくことで、良い不動産売却が実現できますので、必ず理解しておきましょう。
買取保証とは
買取保証とは、一定期間を設けて不動産会社が売主の不動産の販売活動を行って買主が見つからなかった場合は、予め売主と不動産会社で決めていた価格で不動産会社が買取をする方法です。
即時買取とは
即時買取とは、売主が売却する活動を一切行わずに、不動産会社にすぐに買い取ってもらうことを言います。
例えば、急な転勤で今まで住んでいた家を期日までに売却したい場合などはこの方法が向いています。
買取で依頼する場合は「瑕疵(かし)担保責任」を負う必要がない
この瑕疵担保責任についてまずは解説しましょう。瑕疵担保責任とは、売買の目的物に瑕疵(その物が取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態)があり、
それが取引上要求される通常の注意をしても気付かぬものである場合に、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。
買取で依頼をする場合は、最終的な購入者と売主(みなさま)が直接的に何かの契約をすることがないため、この瑕疵担保責任が発生しません。
この点は、売主側の皆さんにとっては相当なメリットであると言えるでしょう。
【買取のメリットまとめ】
これまでお話をした中で、買取にはいくつかのメリットがあることがわかりました。ここではそのおさらいをしておきましょう。
<買取で依頼をすると以下のようなメリットがあります>
「早急な現金化が望めること」
「瑕疵担保責任が免除されること」
「資金計画が立てやすいこと」
「買主探しの内覧が不要なこと」
「会社の同僚や近隣の人に知られることなく売却できること」
「仲介手数料がかからないこと」
などのメリットがあります。
このように、仲介と買取との特徴的な違いはいくつかの要素によって分けられています。